仮想通貨に関する会計基準―公開草案の発表

 日本企業の会計基準を策定する企業会計基準委員会(ASBJ)より、「実務対応報告公開草案第 53 号 資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い(案)」が公表されました。これは、仮想通貨に関する会計上の取り扱いを定めたもので、公開草案に対して、2018年2月6日までコメントを受け付けています。

この公開草案によれば、仮想通貨は会計上の資産であるものの、類似していると考えられる外国通貨や金融資産、棚卸資産とも異なる資産であるため、直接的に参照可能な既存の会計基準が存在しないことから、仮想通貨に関する会計処理について既存の会計基準を適用せず、仮想通貨独自のものとして新たに会計処理を定めているものとされています。

公開草案によれば、期末に仮想通貨を保有している場合、活発な市場が存在する場合には、時価評価が求められ、活発な市場が存在しない場合には、取得原価で評価することとされています。なお、時価評価差額は損益として処理することが求められています。
その他、仮想通貨交換業者が保有もしくは預かった仮想通貨の会計処理についても規定がされております。

なお、Initial Coin Offering(ICO)の会計処理については、本公開草案に含まれておらず、今後、議論が行われていくことが期待されます。