平成30年 与党税制改正大綱
2017年12月14日に、2018年度(平成30年度)与党税制改正大綱が公表されました。主要な改正・見直し項目は以下のとおりです。
- 法人税
- 賃上げ・生産性向上のための税制
- 所得拡大税制の改組
- 情報連携投資等の促進委係る税制の創設
- 租税特別措置の適用要件の見直し
- 競争力強化のための税制措置
- 特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る所得の計算の特例の創設
- 組織再編税制の見直し
- 地方創生の実現
- 納税環境整備
- 申告手続きの電子化促進
- 年末調整手続きの電子化促進
- その他
- 賃上げ・生産性向上のための税制
- 国際課税
- 恒久的施設関連規定の見直し
- 外国子会社合算税制等の見直し
- 特定目的会社の利益の配当に係る二重課税調整の改正
- その他
- 個人所得課税
- 個人所得課税の見直し
- 金融・証券税制
- 土地・住宅税制
- 森林吸収源対策に係る地方財源の確保
- その他
- 資産課税
- 事業承継税制の特例の創設等
- 一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直し
- 土地に係る固定資産税等の負担調整措置
- 土地の相続登記に対する登録免許税の創設
- 租税特別措置等
- 消費課税
- 観光立国・地方創生の実現
- 国際観光旅客税(仮称)の創設
- 外国人旅行者向け消費税免税制度の見直し
- たばこ税の見直し
- 観光立国・地方創生の実現
上記の内容について少しづつ見ていきたいと思います。
まずは、所得拡大税制の改組です。
2018年4月1日から2021年3月31日までの間に開始する各事業年度において,次のA,Bの要件を満たせば,給与等支給増加額の15%を法人税額から控除(上限は法人税額の20%)できるようこととなります。さらに,Cの要件を満たす場合は,合計20%の税額控除(上限は法人税額の20%)を認めることとされています。
A 平均給与等支給額(※継続雇用者の範囲に見直しあり)が比較平均給与等支給額に比して、3%以上増加
B 国内設備投資額が減価償却費の総額の90%以上
C 教育訓練費の額が比較教育訓練費の額に比して20%以上増加
B 国内設備投資額が減価償却費の総額の90%以上
C 教育訓練費の額が比較教育訓練費の額に比して20%以上増加
なお、中小企業者等の場合には、上記に代えて2018年4月1日から2021年3月31日までの間に開始する各事業年度において平均給与等支給額が比較平均給与等支給額に比して1.5%以上増加すれば給与等支給増加額の15%の税額控除となります。また、平均給与等支給額が比較平均給与等支給額に比して2.5%以上増加し、かつ、教育訓練費増加等要件も満たせば,給与等支給増加額の25%の税額控除となります(上限はいずれも法人税額の20%)。なお、中小企業者等の場合には、大企業のような設備投資要件は設けられておりません。
大企業にとっては、新たに国内設備投資の基準が設けられたことにより、適用が制限される企業も出てくる形になります。